信夫克紀

誰もが、物事を前に進めるためには、何かを「する」べきだと、自然と考えていますよね。さらに、心の奥底で、何かを「する」ことが良いことで、何かを「しない」ことは、なまけている、だらしない、といった思い込みが焼きついているのではないでしょうか。 確かに、現代の日本の社会には、何かを「する」ことばかりが推奨され、何かを「しない」と叱咤激励される風潮が根強く残っていると思います。そのためか、何かを「する」努力、何かを「する」ための方法、何かを「する」ことのメリットを説く情報は、たくさんあふれています。逆に、何かを「しない」努力、何かを「しない」ための方法、何かを「しない」ことのメリットを教えてくれる情報は、ほとんど見あたりません。 何かを「する」ことばかりに気をとらわれてしまうことは、心身の悩みをさらに深刻にしてしまう危険があります。それは、足を骨折した人が無理に走り続けて転んでしまい、さらに骨折をひどくしてしまうようなものではないでしょうか。